日々之迷歩

世の中わからんことだらけ

ITが複雑で難しくなっていく様に翻弄される日々です。微力ながら共著させていただいた「シェル・ワンライナー160本ノック」をよろしくお願い申し上げます。

BSD版だけ?odの便利な使い方

文字のバイナリ列を調査する必要になり、どうしようかなあと思っていたが、odコマンドが便利だったのを思い出した。

バイナリデータを扱う場合、シェル芸勉強会で時々出てくるのはxxdコマンド。これはvimに付属のコマンドで、バイナリファイルを編集する時にフィルタとして使うらしい。

しかし昔からのodコマンドにも、便利な使い方がある。日本後などマルチバイト文字コード絡みの問題がある時、バイト列の便利な確認方法があるのだ。ただこの使い方、BSD版?のodコマンドでしか出来ないみたい。MacなOSXのodコマンドもBSD版みたいでオケ。

LInuxディストリビューションに付属している、GNU版のodコマンドや、Homebrewで入れるcoreutilsのgodコマンドでは出来ない。どうにかして出来ないか、誰か知ってる??

まずは-cオプションで文字列が出力される。この時BSD版だと日本語をそのまま表示してくれるのだ。

$ echo ぱぴろん | od -c
0000000   ぱ  **  **  ぴ  **  **  ろ  **  **  ん  **  **  \n            
0000015

次に-t x1オプション。これで1バイトづつ16進数で出力される。

$ echo ぱぴろん | od -t x1
0000000    e3  81  b1  e3  81  b4  e3  82  8d  e3  82  93  0a            
0000015

これらのオプションを併用すると、下記のような出力になる。日本語文字とバイト列の比較が一目瞭然。UTF-8だと日本語って3バイトなんだなーってのがよくわかる。

$ echo ぱぴろん | od -c -t x1
0000000   ぱ  **  **  ぴ  **  **  ろ  **  **  ん  **  **  \n            
           e3  81  b1  e3  81  b4  e3  82  8d  e3  82  93  0a            
0000015

odコマンド実行時に、環境変数LANGを適切に指定すると、SJISやEUCでも表示してくれる。2バイトになるんだね。

## nkf -s でSJISにしてみる
$ echo ぱぴろん | nkf -s | LANG=ja_JP.SJIS od -c -t x1
0000000    ??  **   ??  **   ??  **   ??  **  \n                            
           82  cf  82  d2  82  eb  82  f1  0a                            
0000011

## nkf -e でEUCにしてみる
$ echo ぱぴろん | nkf -e | LANG=ja_JP.eucJP od -c -t x1
0000000    ??  **   ??  **   ??  **   ??  **  \n                            
           a4  d1  a4  d4  a4  ed  a4  f3  0a                            
0000011

端末の表示文字コードを変更すれば正しい日本語で表示してくれるが、最後にUTF-8に戻してやっても良い。シェル芸になってた。

$ echo ぱぴろん | nkf -s | LANG=ja_JP.SJIS od -c -t x1 | nkf -w
0000000    ぱ  **   ぴ  **   ろ  **   ん  **  \n                            
           82  cf  82  d2  82  eb  82  f1  0a                            
0000011

$ echo ぱぴろん | nkf -e | LANG=ja_JP.eucJP od -c -t x1 | nkf -w
0000000    ぱ  **   ぴ  **   ろ  **   ん  **  \n                            
           a4  d1  a4  d4  a4  ed  a4  f3  0a                            
0000011

・・・ということで、トラブルシューティングとかにも便利かも!?

追記

2016年6月18日に開始された第23回シェル芸勉強会で、Q1の元データにBOMが付いていた。どうなってるか確認するのに、マルチバイト対応のodコマンド使うと分かりやすいかもしれない。